お役立ち情報

高齢化が進む日本において、介護業界の人材不足は深刻な社会課題となっています。
その解決策として注目されているのが、外国人労働者の受け入れです。
本記事では、外国人介護士受け入れの現状やメリット、必要な在留資格の種類、雇用における注意点までを詳しく解説します。
- 介護業界を支える?外国人労働者の受け入れが重視される理由
今、多くの業界で人材確保の困難と高い離職率が深刻な課題となり、企業の採用活動も長期化しやすい状況となっています。

その中でも介護分野では、厚生労働省によると、2026年時点で必要な介護職員が約240万人に達し、2040年には約270万人の職員が必要、と予想されています。
さらに令和5年(2023)に全国の介護サービス事業者に対して、公益財団法介護労働安定センターが行った調査よると、従業員の過不足状況に対する回答から「介護職員」「訪問介護職員」の人手が極端に足りていないことが示唆されています。

高齢化に伴い、介護ニーズが増大し、より多くの人材確保が求められる中で、少子化などの影響で介護士の数が足りていません。
介護業界では、これらの課題を早急に改善することが最優先事項になるでしょう。
介護業界では、深刻化する人手不足の解消策として、”外国人労働者の受け入れ”が重要な役割を果たしています。
日本人だけでは補いきれない労働力の確保に加え、外国人介護士は異なる文化や価値観を持ち込み、現場に新しい視点や柔軟な発想をもたらします。
さらに、増員により利用者の多様なニーズに応じた、きめ細やかなケアが実現できることから、介護サービスの質の向上にもつながることが想定されます。
今後、外国人材の積極的な活用は、介護業界の将来的な安定と発展に不可欠な選択肢となるでしょう。
- 介護業界で外国人労働者を受け入れる3つのメリット
介護現場の安定には、若手人材の長期雇用が欠かせません。
中でも外国人若手人材は、継続的な就労を通じて日本語能力や介護技術を高め、現場に定着することで即戦力としてだけでなく、将来的な中核人材へと成長が期待されます。
短期的な補充ではなく、育成と定着を見据えた雇用戦略こそが、介護施設全体の持続的な運営とサービス品質の向上に大きく寄与します。
特定技能外国人などは特定の専門性と技能を有し、実務に直結する知識と経験を備えているため、即戦力として採用して迅速な人手不足解消が期待できます。
厚生労働省が令和4年に実施した、利用者やその家族を対象としたアンケート調査によると、外国人介護士の働きぶりや対応に対して、約8割が「満足している」「評価できる」と回答しています。

介護事業者の多くが、特定技能外国人などを受け入れる理由として「即戦力としての活躍」を挙げている理由も頷けます。
介護現場における「多文化共生」は、利用者満足度の向上と職場の活性化に寄与します。
外国人介護人材の受け入れが進む中で、職場での多文化共生への配慮やコミュニケーション支援が必要とされており、施設によっては新たな視点や技術がもたらされているという事例も厚生労働省は報告しています。
利用者にとっても異文化に触れる機会となり、国際的な感覚を養うことが可能でしょう。それ故に多文化共生は今後もその重要性が増していくと考えられます。
- 外国人介護士が日本で働くための4つの"在留資格"をご紹介!
外国人が日本で長期的に介護業務に従事するための資格です。
一定の日本語能力と実務経験、雇用契約を前提とし、即戦力として高齢者福祉に貢献できる点が特徴ですが、介護福祉士の国家資格取得が必須となります。
資格取得していれば安定した雇用が可能で、将来的なキャリア形成にも適した制度です。
特定国(インドネシア・フィリピン・ベトナムなど)との経済連携協定に基づき、外国人介護士候補者を受け入れる制度です。
在留資格「介護」とは違い、来日後に日本語と介護の研修を受けたうえで、国家試験に合格すれば介護福祉士として正式に就労可能となります。
介護分野の技術を開発途上国に移転することを目的とした制度であり、あくまで「人材育成」が中心です。
技能実習生は施設で実務を通じて介護を学びますが、就労期間や従事可能な業務に制限があり、長期的な雇用には不向きな側面もあります。
介護分野などの人材確保を目的に創設され、一定の日本語能力と介護技能を証明した外国人が対象となります。
採用後すぐに現場で実務を担える点が特徴で、必要な支援体制を整えることで、定着も期待できます。
また、長期的な雇用につながる制度改正も進んでおり、将来を見据えた人材採用の選択肢として注目が高まっています。
- 今後、"特定技能外国人"の活躍が注目される理由と「特定技能制度改正」について
特定技能外国人は、一定の日本語力と介護スキルを持ち、現場にすぐに対応できる点が魅力です。
加えて、採用コストの抑制や長期雇用の見込み、多文化共生の推進なども期待されており、介護サービスの質向上や職場の活性化にも繋がる存在として、導入を検討する企業、施設が増えています。
離職率に関しても、日本の訪問介護員、介護職員の離職率は13.1%(※1)に対して、特定技能外国人のみに絞ると離職率は10.6%という報告もあります。

即戦力はもちろん、安定的な労働力確保という観点でも、特定技能外国人の需要は高まっています。
要確認:特定技能制度では外国人が職場を自由に選べる仕組みがあり、さらに受け入れには生活支援や相談体制の整備が義務づけられますので、制度を理解し、受け入れ体制を整えましょう。
2025年4月に実施された特定技能制度の改正により、特定技能外国人がより長く・安定的に介護現場で活躍できる環境が整備されつつあります。
主な改正ポイントは以下の通りです。
- 「特定技能2号」の対象分野への介護の追加(検討中)
- 在留期間の柔軟化により、長期雇用が可能
- 評価試験や日本語要件の見直しによる受け入れハードルの緩和
- 受け入れ体制や登録支援機関の基準強化
これにより、介護施設は即戦力となる人材をより安定して採用・育成できるようになり、現場の負担軽減やサービス品質の向上が期待されています。
- 外国人労働者の雇用・実務における注意点や知っておくべきこと
介護分野で外国人労働者を受け入れるには、在留資格や制度を正しく理解し、制度に適した雇用契約を結ぶことが前提です。
特に下記の環境整備や対応が外国人介護士の採用、定着に不可欠です。
- 適正な給与や労働環境
- 日本人職員と同等の待遇
- 契約内容の母国語での説明
- 社会保険の整備
外国人労働者が安心して介護業務に従事するには、生活支援と日本語を含むコミュニケーション対策が不可欠です。
異なる文化や言語への不安を軽減するため、「住居の確保や相談窓口の設置」、「日本語教育」、「異文化理解と地域との交流機会の提供」が重要です。
こうした支援体制は、介護現場問わず外国人材がより長期的に在留してくれる大事な取り組みです。
登録支援機関は、外国人労働者を受け入れる企業に代わり、生活支援や日本語学習支援、行政手続きの補助などを行う専門機関です。
制度や在留資格に精通しており、適切な支援体制の構築をサポートすることで、外国人労働者の定着と安心につながります。
企業にとっては、業務負担の軽減や法令遵守の強化にも役立ち、安心・安定した雇用環境を整えるうえで大きなメリットがあります。
外国人介護士を受け入れる際は、制度の整備だけでなく、職場や利用者の理解と協力も欠かせません。
“ともに働く仲間”と考えたとき、平等に向き合う姿勢が国籍に関わらず重要であり、「外国人だから」といって特別視した対応や過度なサポートに偏ると、既存スタッフへの負担や現場の不満にもつながります。
利用者や職員に対しては、文化の違いや働く背景を丁寧に説明し、相互理解を深める機会を設けることが、円滑な受け入れと外国人材の長期定着につながります。
- まとめ
日本の介護業界では高齢化による人材不足が深刻化しており、外国人労働者の受け入れが重要な対策となっています。
特定技能やEPA、技能実習など多様な在留資格制度を通じて、即戦力かつ長期的に活躍できる人材を確保する動きが進んでいます。
外国人介護士の導入は、介護現場の安定やサービスの質向上、多文化共生による職場活性化にも寄与しますが、制度に沿った雇用契約、生活支援、日本語教育、利用者や職員への理解促進など、受け入れ体制の整備が不可欠です。
- 特定技能外国人の雇用ならアセアンブリッジコンサルティングへ
介護業界の人手不足を補う「特定技能外国人を受け入れる体制作り」のハードルの高さが課題であり、不安に感じている企業も少なくありません。
そんな課題を解決する登録支援機関として、ABC(アセアンブリッジコンサルティング)がお手伝いします。ABCでは、特定技能ビザを持つ優秀な外国人材の紹介にとどまらず、ビザ申請サポート、日本語学習支援、入社後の生活フォローまで一貫して対応。
外国人雇用に一歩踏み出す企業にとって、安心して相談できる存在であるABCは、企業側の負担を最小限に抑えながら、現場で活躍できる人材の確保と定着をサポートします。