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自動車整備業界では、深刻な人手不足が続いています。その中で、多くの企業は外国人整備士の採用に活路を見出しています。
本記事では、外国人を採用する際の方法や在留資格、受け入れに伴う注意点までをまとめて解説します。
ちなみに、自動車整備士がなぜ人手不足が加速しているのか?についての要因や、今後懸念されるデメリットなどは、自動車整備士の人手不足、なぜ?現状と対策を解説 にて詳しく紹介されています。よろしければ、こちらの記事もあわせてご覧ください。
- なぜ自動車整備業界で外国人が増加しているのか?外国人労働者が必要とされる背景
自動車整備業界では、外国人労働者の採用が年々増加しています。これは日本国内で若手整備士の不足が深刻化していることに起因します。この状況を受けて、企業は特定技能ビザや外国人技能実習制度などを活用し、人材確保に努めています。
高齢化社会に伴い、多くのベテラン整備士が引退を迎える中、新たな担い手となる若者が減少している現状があります。

(出典:国土交通省(平成26年)3-1.人材確保・育成の取り組み(その3) ~自動車整備人材の確保・育成に関する検討会~ )
国土交通省は、整備士の平均年齢が平成26年(2014)時点で43.8歳と発表しています。(※1) このような背景から、自動車整備工場やディーラーは慢性的な人材不足に直面し、サービス提供にも影響を及ぼす可能性があります。
(※1)参照元:自動車整備士不足の現状と行政の取組
自動車整備分野では、「高度な専門知識と技術力を持つ人材が必要」という背景から、政府も制度の受け入れ枠拡大や手続きの簡素化など支援策を進めており、今後さらに多様な国籍・文化背景を持つ人材が日本で活躍する機会が増えるでしょう。(※2)
(※2)参照元:特定技能制度の現状について(法務省)
外国人労働者が現場に加わることで、新たな視点から効率的な作業方法が導入され、生産性向上に繋がる可能性があり、多くの企業は長期的なキャリアパスを提供することで、優秀な人材の定着を図っています。
これにより人手不足解消だけでなく競争力強化へと繋げていくことも可能になります。
- 自動車整備の分野で外国人を雇うメリット
人材確保はもちろん、多様性豊かな現場環境が生まれ、新たな視点や技術革新につながっています。
さらに国土交通省が2019年4月に自動車整備職種が外国人技能実習制度の対象に追加されたことを発表し、海外から優秀な整備士を受け入れる体制を強化しています。(※3)
この取り組みは長期的には業界全体の成長へとつながる可能性が高いでしょう。
(※3)参照元:自動車整備分野における外国人の受入れ(国土交通省)
特定技能制度によって来日した多様なバックグラウンドを持つ整備士たちは、新しい知識や技術を吸収し、それぞれの経験から独自の視点で問題解決に取り組む力があると期待できます。高いモチベーションと柔軟性を兼ね備えてる人材が多い外国人整備士は、現場全体の活気づけ役として重要な存在になり得ます。
異なる文化背景や経験を持つ彼らが加わることで、チームメンバー間でのコミュニケーションが促進され、お互いの強みを引き出し合うことが期待できます。また、異文化交流によって得られる知識は、日本国内だけでは気づかない問題への洞察力を高めます。
- 外国人を雇用する際の企業側の注意点
外国人を自動車整備士として雇用する際、企業は特有の注意点に留意する必要があります。いくつかの準備と配慮によって、多様性豊かな職場作りが可能となります。
外国人が日本で就労するためには適切な在留資格を取得しなければならず、自動車整備士として働く場合、「技能実習」「特定技能」といったビザカテゴリーがあります。また、雇用契約書作成や入管への申請手続きで不備があると許可がおりないケースもあります。
そのため、専門家(人材紹介サービス、支援会社など)によるサポートを受けながら進めることが推奨されます。
自動車整備は安全性に直結する職種であるため、指示内容を正確に把握し実行できることが不可欠です。文化的背景やコミュニケーションの違いも考慮し、適切なトレーニングをすることでスムーズな業務遂行につながります。面接時には技術試験だけでなく、日本語による質疑応答など多角的な評価方法を取り入れると良いでしょう。
外国人が必要な技術や知識を効率的に習得できるよう、専門的なトレーニングプログラムを設計することが求められます。さらに多様性への理解と配慮も欠かせません。新たなスタッフが職場環境に馴染むまでのサポート体制も強化し、一貫したフォローアップ体制を構築しましょう。
- 自動車整備業で採用できる外国人の資格とは?
自動車整備業界での外国人労働者の採用が年々進んでおり、注目されているのは「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「技能実習」といった在留資格です。各資格には異なる要件と特徴があります。
日本で一定の実務経験を積み、技能試験や日本語試験に合格した外国人が取得できる在留資格です。自動車整備、介護、建設、外食、農業など人手不足が深刻な16分野が対象となります。特定技能制度では外国人が職場を自由に選べる仕組みがあり、さらに受け入れには生活支援や相談体制の整備が義務づけられますが、即戦力かつ日本語能力もある人材を安定的に確保できる制度として、企業から注目されています。
機械工学/電気電子工学などの高度な専門知識や技能を持ち、日本企業でその能力を活かすことができる外国人に与えられる資格です。この制度では日本語能力も重要視されており、職場環境へのスムーズな適応が期待されています。
日本で技術や知識をさらに学びながら働くことができるプログラムです。特に、自動車整備士として必要なスキルを持つ外国人材が対象となり、彼らは日本国内で一定期間実務経験を積むことで、更なる専門性を高めます。
- 「外国人労働者」の意外と知られていない事・人材としての魅力
外国人労働者が人手不足を補い、さらには即戦力として新たな企業成長を促してくれる存在だということを認識している企業はまだまだ多くないでしょう。
彼らへの偏見や先入観は事実とは異なる場合が多いため、その価値を正しく評価し、新しい風として迎え入れる姿勢が求められます。
多くの外国人整備士は来日前に日本語学校で学び、一定の日本語能力試験にも合格しています。特に特定技能外国人は日本語検定4級以上の語学力を保持してます。実際に現場では、日本語での意思疎通に問題がなく、丁寧で意欲的な姿勢が評価されるケースも増えています。
異なる価値観や習慣を受け入れることで、職場に新たな気づきやアイデアが生まれることも多くなるでしょう。2018年9月に発表された労働政策研究・研修機構での企業調査(従業員100人以上の企業12,000社対象)では、人材の多様化によって「新しい価値観やアイデアが生まれるきっかけになった」と答えた企業が81.7%にのぼり、71.6%の企業が「異なる価値観で社員間の衝突が増えたとはいえない」と回答してることから、多文化共生の現場がスムーズに機能している実例が多く見られます。(※4)
(※4)参照元:労働政策研究・研修機構による企業調査
特定技能外国人は、3年の技能実習経験と整備士3級相当の試験、日本語検定4級以上の合格が条件とされる即戦力人材です。特定技能外国人の受け入れ枠も拡大され、深刻な人手不足に悩む自動車整備業界の大きな課題を解決するため、政府も積極的に動いています。多様な視点や国際的な考え方を取り入れるきっかけにもなり、企業の進化を支える存在として今後ますます注目されるでしょう。
- 即戦力+定着率の高さが魅力!整備業界に「特定技能外国人」が選ばれる理由
特定技能外国人は、技能実習(3年)を経て、整備士の技能試験(3級相当)にも合格した人材、つまりは基本的な工具の使い方や現場の作業フローを理解しており、「一から教える」という必要がありません。現場で即戦力として活躍できるため、教育にかかる時間やコストを大きく削減できます。
特定技能外国人は、必ず日本語能力試験でN4以上に合格しており、現場の指示や簡単な日常会話であれば十分に対応できます。お客様対応を任せるケースも少しずつ増えており、現場の信頼感にもつながっています。
※他の在留資格(技能実習,技術・人文知識・国際業務)を持つ外国人はN4以上の試験合格は必須ではありません。
技能実習制度と違い、特定技能制度では外国人が職場を自由に選べる仕組みがあり、一見すると不安に思われがちですが、逆にいえば「良い環境を整える企業が選ばれる」という健全な採用競争が生まれます。実際、労働条件やサポート体制を整えている企業には長期的に定着する傾向があります。

出入国在留管理庁が令和4年に公表している統計資料によると特定技能外国人の離職率は全分野で16.1%、自動車整備業だけに絞ると離職率8.9%となります。

厚生労働省が令和4年に公表している産業別入職率・離職率では、製造業の離職率は10.2%であり、業界全体で見ても、特定技能外国人のみで見ても特定技能外国人の離職率が低いことが伺えます。
- まとめ
自動車整備業界における外国人採用は、深刻な人手不足を解消するための有効な手段です。特に若年層の日本人がこの職種を敬遠しがちな現状では、即戦力となり得る外国人技術者への期待が高まっています。彼らを雇うことで、多様性によって職場環境が活性化され、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
法的手続きや在留資格、日本語能力などについて事前に十分な確認と準備が必要であり、教育・指導体制を整えることも重要、それによってスムーズな定着と成長支援につながります。
適切なサポート体制を構築することで、自動車整備業界は持続可能な発展へと進むことができるでしょう。
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