特定技能[宿泊分野]とは?人材不足を解消する外国人雇用の要件・試験概要を紹介

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特定技能[宿泊分野]とは?人材不足を解消する外国人雇用の要件・試験概要を紹介

日本の観光需要が回復し、宿泊業界では深刻な人手不足が続いています。そんな中、外国人がホテルや旅館で即戦力として活躍できる仕組みとして、「特定技能(宿泊分野)」制度が注目を集めています。

本記事では、制度の概要から資格区分、対象業務、試験内容、そして企業が受け入れる際のポイントまで、宿泊分野に特化してわかりやすく解説します。

特定技能「宿泊分野」とは、外国人労働者が日本の宿泊業界で働くことを可能にし、業界の活性化を図ることを目的とした制度です。特定技能「宿泊分野」がなぜ設けられたのか、特定技能の資格種類や業務できる範囲などを詳しくご説明します。

なぜ特定技能制度が「宿泊業界」に導入されたのか

コロナ禍が終息した2022年頃から2023年には訪日外国人旅行者数がコロナ前(~2019年)と比べ79%回復し、再びインバウンドの需要が高まっています。

その中で、日本の宿泊業界は今もなお深刻な人材不足に直面しています。政府は業界の人材不足問題を解決するため、宿泊分野にも特定技能制度を導入しました。

特定技能1号と特定技能2号の違いは?

特定技能制度には1号・2号には、それぞれ異なる特徴を持っています。

 

特定技能1号

特定技能2号

目的・対象レベル

ある程度の知識・経験を持つ即戦力

熟練した技能を持つ人材、指導・管理能力を期待される

在留期間

更新可能だが 通算5年が上限

更新を繰り返せば 上限なし(制限なし)

永住申請

原則不可

永住許可申請が可能な場合あり

技能水準・要件

宿泊分野特定技能1号評価試験合格が必須。日本語能力(日本語能力試験 N4 以上または国際交流基金日本語基礎テスト)も必要。

宿泊分野特定技能2号評価試験合格が必須。さらに宿泊施設で複数の業務と、従業員を指導しながら業務に従事した 実務経験(2年以上程度) が要件。

特定技能1号は、比較的短期間で即戦力となる外国人労働者を受け入れることを目的としており、宿泊業界においても多く活用されています。

特定技能2号はより高度な専門性や技術を必要とする職種向けで、この場合は家族帯同が可能になります。

これらの違いによって企業側は自社のニーズに応じた柔軟な雇用計画を立てることができ、多様化する顧客ニーズにも対応できます。

宿泊分野における特定技能制度は、ホテルや旅館などの業態で外国人労働者を受け入れるための重要な枠組みです。

業務としては、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の”宿泊サービスの提供”に従事します。

特定技能1号、2号で対応できる業務も変わってきます。

  • 特定技能1号

各業種の従業員として業務

  • 特定技能2号

複数の従業員を指導、管理するチーフ・マネージャーとして業務

この分野では比較的その他分野よりも高い日本語能力が求められます。言語面でスムーズなコミュニケーションと、お客様への対応力が業務を遂行するために、必要になります。

日本の観光業界で働く外国人労働者にとって、特定技能「宿泊」分野の試験通過は重要なステップです。

近年、多くの受験者がこの試験を通じて日本での就労機会を得ようとしており、その合格率も注目されています。特定技能における試験内容や最新の合格率について詳しく解説していきます。

特定技能「宿泊」の試験内容とは?

特定技能の宿泊分野における試験では、学科試験と実技試験に分けられて実施されます。

【試験内容①】学科試験

学科試験においては「日本語能力水準(=日本語力)」と「技能水準(=宿泊業務上の基礎知識)」について問われる試験内容になっています。

日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で適切にコミュニケーションを取れるかどうか、さらには安全衛生関係、接遇・マナーの知識まで把握しているかが問われます。

【試験内容②】実技試験

実技試験においては、ペーパーテスト方式で「宿泊施設の利用者が求めること(問い合わせ・クレーム等)に対して適切な対応ができるか」を問われる試験内容になっています。

出題分野は宿泊業務の中でも フロント・接客・レストランサービス が中心になり、単なる知識確認ではなく、現場で「どう振る舞うか」「どう判断するか」を入念にチェックされます。

特定技能1号・2号試験の2025年”合格者数”と”合格率”は?

特定技能試験は多くの国で実施され、特定技能1号試験(2025年7月度)は、日本だけで合格率が49.6%、世界的に見ても総合的に70.6%の率で特定技能試験をクリアしています。

特定技能2号試験においては受験者数10人と少ない中でも、7人(70%)の受験者が合格しています。

今後さらに多様な国籍からの特定技能試験の応募者が見込まれ、それに伴い日本語能力や実務経験を持つ優秀な人材も増えていく可能性があります。

特定技能「宿泊」の在留資格を取得するには、試験に合格するだけでは不十分。一定の要件を満たした外国人材のみが受験と資格取得をして、宿泊業界で従事できます。

具体的な取得要件や在留期限と更新条件についても理解しておくことが重要です。

要件①宿泊分野特定技能1号評価試験に合格

日本の宿泊施設で即戦力として活躍できることを証明するために、「特定技能「宿泊」の試験内容・合格率」でも前述した、学科・実技試験をクリアすることは必須条件となります。

要件②一定水準以上の日本語能力

対象者は一定水準以上の日本語能力を有している必要があり、日本語能力試験(JLPT)N4 以上 または 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) の合格が要件とされています。 

※N4以上=日常会話レベルの日本語理解・応答力

要件③原則18歳以上

宿泊業は深夜勤務や顧客対応など、責任を伴う業務が多いため、雇用には外国人材を問わず「社会的責任を理解し、独立して行動できる年齢」であることが前提です。

要件④健康であり、素行に問題がないこと(犯罪歴などがない)

感染症リスクなどを考慮し、健康診断の結果を確認します。さらには素行不良者や反社会的勢力関係者を雇用することはリスクとなるため、在留資格の申請時に出入国在留管理庁が本人の過去の記録をもとに審査します。

健康状態、過去の犯歴が共に問題なければ基本的にこの要件の審査通過は難しくありません。

特定技能の「在留期限」と「更新条件」

特定技能1号 :在留期限・更新条件

特定技能1号で日本に滞在できる 通算期間の上限は5年 とされています。

ただし、通算5年を超えることはできないため、更新時にはこれまでの在留期間を参照され、通算が5年以内であることが条件となります。

更新については、次のような条件を満たしていることが必要です。

  • 雇用契約の継続
  • 従事業務が許可された範囲内であること
  • 納税・社会保険の適正履行

更新審査には通常1~2か月程度 かかると見込まれており、余裕を持って申請することが推奨されています。

在留中の法律違反や重大なトラブル、計画的な更新準備の不足がなければ基本的に更新の審査は通過しやすくなります。

特定技能2号 :在留期限・更新条件

特定技能2号は、在留期間の上限がなく(無制限) 、大きな問題の発生(素行不良や反社会的行為など)がない限りは、適切な条件を満たし続ける限り、何度でも更新できるという扱いです。 

しかし在留期間として3年、1年、または6か月 のいずれかが定められ、更新はできるものの決められた在留期間がすぎる前に更新手続きは必要となります。

特定技能「宿泊分野」受け入れ企業の主な要件は?

宿泊業界における多くの企業が特定技能制度を利用するために、いくつかの要件を満たす必要があります。主な要件をいくつかご紹介します。

風俗営業法該当施設でないこと・接待業務禁止

受け入れ企業は、風俗営業法上の“施設”に該当しないこと、また特定技能外国人に 「接待」行為(歓楽的接待など)をさせないことが求められています。

宿泊分野特定技能協議会への加入・協力義務

宿泊分野で特定技能外国人を受け入れる施設は、国土交通省設置の「宿泊分野特定技能協議会」の構成員でなければなりません。

加えて、調査・指導に対して必要な協力を行う義務もあります。

適正な雇用契約・法令遵守

外国人と結ぶ雇用契約は適切であり、報酬や労働条件は日本人と同等以上でなければなりません。

労働基準法・出入国管理法など関係法令を遵守し、欠格事由に該当しないことが必要です。

支援体制・委託体制の整備

特定技能外国人を受け入れる際には、生活支援や職場支援を行う支援計画が要ります。

これを自社で実施できなければ、要件を満たす登録支援機関に委託する必要があります。 

外国人材を雇用するなら準備すべきことは?

外国人材を宿泊分野で雇用する際には、【登録支援機関】の活用が鍵であり、宿泊業をはじめとする企業にとって心強いパートナーとなります。

登録支援機関は、煩雑な10項目の義務的支援を代行し、企業の負担を大幅に軽減します。また、生活・就労サポートにより外国人材の早期定着を促進し、離職リスクを低減。さらに、法令遵守や行政手続き代行を通じて、企業のコンプライアンス強化と安心運用までも実現します。

こうした体制を登録支援機関が整備することで、企業は法令遵守やトラブル防止策も安心して任せられ、持続可能な外国人雇用モデルの実現をすることも可能です。

宿泊業界で外国人材を採用する際には、文化・言語の壁や在留資格の手続き、雇用管理の不安が課題となります。

ABCは宿泊分野においても、特定技能資格を持つ人材の紹介から在留資格申請、日本語学習支援、生活フォローまで一貫してサポートしています。ホテルや旅館が人手不足を解消しながら、長期的に活躍できる外国人材の定着も実現します。

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