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日本では人手不足が深刻化し、製造業、建設業、介護分野で外国人材が不可欠です。
本記事では技能実習2号・3号修了者が特定技能へ移行するメリット・デメリット、手続き、必要書類、注意点などを詳しく解説します。
- 「技能実習」から「特定技能」に移行は可能!
技能実習2号または3号を修了した外国人は、特定技能1号への移行が可能です。
従事していた職種・作業と特定技能の業務区分が一致している場合、技能試験が免除されます。
さらに、技能実習2号を良好に修了した場合は、職種に関係なく日本語試験が原則免除される特例措置もあります。つまり、技能実習での経験がそのまま「実績証明」となり、スムーズな移行を後押ししてくれます。
まずは、法務省および出入国在留管理庁が公表している移行対象職種リストを確認するところから始めていきましょう。
- 在留資格:技能実習・特定技能の主な違い
外国人労働者の在留資格移行を検討する際、技能実習と特定技能制度の違いを正確に理解しておくのは、とても重要です。
制度への理解がある程度あっても、両制度の目的や在留期間、就労条件などの違いを正確に把握していなければ適切な判断はできません。最新の情報を含め、改めて整理しておきましょう。
技能実習制度は、日本の技術・技能を開発途上国へ継承することを目的とした人材育成制度です。
在留期間は最長5年で、原則として転職は認められていません。監理団体を通じた受入れが一般的で、技能検定3級などの評価試験受験が必要となります。
ただし、2024年の法改正により、技能実習制度は廃止されることが決定しており、2027年4月から2030年までに「育成就労制度」に置き換わる予定です。まさに今、制度の転換期を迎えています。
現時点ではまだ技能実習制度が運用されていますが、まもなく新制度へと移行することを念頭に置いておく必要があります。
特定技能制度は、人手不足が深刻な産業分野において即戦力となる外国人材を確保するための就労資格です。技能実習が「育てる」制度なら、特定技能は「活躍してもらう」制度です。
建設分野、製造業分野、外食業、宿泊業など14業種16分野が対象となっており、一定の日本語能力と技能水平が求められ、技能試験と日本語試験の合格が必要となります。
特定技能1号は最長5年、特定技能2号は在留期間の上限なく更新が可能となるため、企業は技能実習で育成した人材を長期的に雇用でき、採用コストや教育費用の削減、さらに即戦力として実績のあるスタッフの安定確保が実現します。
- 「特定技能」へ移行するメリット・デメリット
企業側のメリット
- 技能実習期間中に培った信頼関係とスキルをそのまま活かせるため、新規採用時の見極めリスクや再教育コストを大幅に削減
- 現場の業務フローを熟知した即戦力人材を長期スパンで戦力化
- 特定技能2号に進むことで、技術を教える中心的な人材として長く働けるようになり、会社全体が安定
外国人労働者側のメリット
- 技能実習の最長5年を超えて日本に滞在できることで、住居や地域コミュニティとのつながりもより深まり、生活基盤構築が可能
- 特定技能2号では配偶者や子どもとともに暮らせるため、単身赴任のような孤独感から解放され、精神的な安定と生活の充実感を実現
- 「外国人だから安く雇える」という発想が制度上排除され、能力と実績に見合った正当な評価と報酬を享受可能
企業側のデメリット
- 監理団体に主に任せていた技能実習とは異なり、受入れ機関としての責任が明確化されるため、厳格な法令遵守や労務管理の体制の見直しが必要
- 外国人材が安心して働けるよう、生活オリエンテーションから職業相談まで幅広い支援を提供する義務の発生
- 出入国在留管理庁への定期報告や各種変更届など、煩雑な書類管理・継続的な行政手続きが求められるため専門家へのサポート依頼が実質的に必要
- 同一業種内での転職が認められているため、せっかく育てた人材が他社に移ってしまうリスクがあり、定着率向上のための職場環境整備が不可欠
外国人労働者側のデメリット
- 技能実習修了による試験免除が適用されない場合、分野別の技能試験と日本語試験の両方に合格することが必要
- 在留資格変更には申請手数料のほか、書類の翻訳費用や行政書士への依頼費用など、予想外の出費が発生する可能性あり
- 一時帰国する場合、在留期限内に変更手続きを完了させなければならず、帰国期間の調整や書類準備のタイミングに細心の注意が必要
- 「技能実習」から「特定技能」へ移行する際の手続き
技能実習から特定技能への在留資格変更は、複数のステップを踏む必要があります。移行要件の確認から書類準備、申請提出まで、計画的に進めることが重要です。
ここでは、必要書類と具体的な手続きの流れについて詳しく解説します。
特定技能への在留資格変更許可申請には、以下の書類の準備が必要です。
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必要書類一覧 |
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1 |
在留資格変更許可申請書 |
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パスポートおよび在留カードの写し |
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3 |
技能実習修了証明書(2号または3号修了者) |
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4 |
技能試験・日本語試験の合格証明書(免除対象外の場合) |
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5 |
雇用契約書の写し |
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6 |
特定技能外国人支援計画書 |
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7 |
受入れ機関の概要を示す資料(事業計画書、登記事項証明書など) |
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8 |
受入れ機関の適合性に関する書類 |
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9 |
健康診断受診証明書 |
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10 |
脱退一時金に関する説明書(該当する場合) |
建設分野や介護分野など、業種によっては業界団体への登録証明書や追加の資格証明が求められるケースもあるため、各省庁の最新ガイドラインを必ず確認しましょう。
ステップ1:移行要件の確認
技能実習で従事していた職種・作業と、特定技能で想定している業務区分が法令上一致しているかを確認します。
この段階で試験免除の対象となるか否かが決まるため、慎重な確認が求められます。
ステップ2:雇用契約の締結
「同一労働同一賃金」の原則に基づき、日本人従業員と同等以上の報酬体系を設定した雇用契約を締結します。
この契約内容が審査の重要なポイントとなります。
ステップ3:支援体制の整備
自社で支援を実施できる体制があるか、それとも登録支援機関に委託するかを判断し、外国人材が安心して働き生活できるための具体的な支援計画を策定します。
ステップ4:必要書類の作成・収集
申請に必要な全ての書類を漏れなく準備します。
書類作成に不安がある場合や、確実な許可取得を目指す場合は、外国人雇用に詳しい登録支援機関、行政書士への相談をお勧めします。
ステップ5:在留資格変更許可申請の提出
管轄の地方出入国在留管理局に申請書類一式を提出します。窓口持参のほか、オンライン申請システムの活用も可能です。
ステップ6:審査・許可
審査期間は通常1〜3ヶ月程度を要します。審査状況は問い合わせで確認でき、許可が下りれば新しい在留カードが交付され、晴れて特定技能外国人としての活動が始まります。
- 特定技能へ切り替える際の注意点
移行をスムーズに進めるには、以下の要件を満たしているか確認しましょう:
- 修了要件: 技能実習2号を修了していることが前提です。実習期間中の出勤率や技能評価も審査されます。
- 技能水準: 試験免除対象外の場合、各分野の技能評価試験に合格する必要があります。
- 日本語能力: 試験免除に該当しない場合、日本語能力試験N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト)の合格が求められます。
在留期限の3ヶ月前から申請可能ですが、書類の不備や追加資料の提出要請で予想外に時間がかかることも少なくないため、理想は4〜5ヶ月前から準備をスタートすることです。
技能実習修了後に母国へ一時帰国を希望する場合は、特にスケジュール管理が重要です。
帰国中に在留期限が切れてしまうと、再入国許可を持っていても入国審査で問題が発生するリスクがあります。
受入れ機関として認められるには、以下の基準をクリアする必要があります:
- 労働基準法、社会保険関係法令、税法などの関連法令を遵守していること
- 直近1年以内に企業都合による離職者を出していないこと
- 外国人材に対して毎月安定的に給与を支払える財政基盤があること
- 生活支援や相談対応など、外国人材が安心して働ける環境を整備できること
- 建設業や介護など、分野ごとに定められた個別基準も満たすこと
特に製造業では作業内容が細かく分類されているため、自社の業務内容がどの区分に該当するか事前に確認することが重要です。
- 外国人労働者の日本離れ?これからの【課題】と【将来性】
円安の進行や労働環境への懸念から、外国人材にとって日本の魅力が相対的に低下しつつあります。
深刻な人手不足に直面する日本企業には、国際水準の報酬体系、明確なキャリアパス、丁寧な生活サポート、そして「人として尊重される」職場文化の構築が求められています。
これらの根本的な改革なくして、優秀な人材との持続的な関係は築けないでしょう。
技能実習から特定技能への移行を戦略的に実現できる企業には、大きなチャンスが広がっています。
すでに日本の文化や業務を理解している即戦力人材を、より長期的なパートナーとして迎え入れることができる反面、外国人材が「ここでならキャリアを築き、十分成長できる」と心から感じられる職場環境をどう創り上げるか、この問いに真摯に向き合う企業だけが、グローバル人材市場で選ばれ続ける存在になっていく可能性があります。
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技能実習から特定技能への移行は、制度理解と正確な手続きが成功の鍵です。
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