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企業と外国人労働者の双方が日本語コミュニケーションに課題を抱えています。業務遂行や信頼関係構築には、適切な日本語教育が不可欠です。本記事では、外国人労働者への日本語教育の必要性と具体的な教育方法、そして特定技能制度が選ばれる理由について解説します。
- 外国人労働者の日本語教育の現状と必要性
| 日本語能力試験|認定の目安 | ||||
|---|---|---|---|---|
| N1 | 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる | |||
| N2 | 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、 幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる | |||
| N3 | 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる | |||
| N4 | 基本的な日本語を理解することができる | |||
| N5 | 基本的な日本語をある程度理解することができる | |||
外国人労働者の日本語レベルは在留資格によって大きく異なります。厚生労働省の調査によると、外国人労働者全体の日本語能力(読解)は、N3が20.8%で最多、次いでN4が20.2%、N5が16.9%という分布です。
現場では、この日本語レベルの差が生産性や安全性、トラブルの発生頻度に直結しています。
特に「特定技能外国人」はN4以上の日本語レベルを取得しており、31.1%がN3、38.4%がN4を取得しています。これにより、職場でのコミュニケーションや業務指示の理解がある程度可能な人材として重宝されています。
外国人労働者への日本語教育は、単なる語学研修ではなく、事業の円滑な運営と人材の定着に不可欠な投資です。詳しく日本語能力の必要性を解説します。
業務効率と安全性の向上
日本語能力が向上することで、業務指示の理解度が高まり、作業ミスやエラーが減少するのが最も重要です。
厚生労働省も労働災害を懸念し、日本語教育を促しています。(※)
特に製造業や介護などの現場では、正確な知識の伝達と理解が安全性に直結するため、日本語教育の重要性は極めて高いと言えます。
職場でのコミュニケーション円滑化
日本人社員と外国人労働者のコミュニケーションがスムーズになることで、チームワークが向上し、職場の雰囲気も改善されます。これは外国人労働者の孤立を防ぎ、定着率の向上にもつながります。
キャリア発展と企業の成長
日本語スキルの向上は、外国人労働者にとって業務範囲の拡大やより高度な業務への挑戦機会の創出につながるだけでなく、スキルを習得する機会が広がることを意味します。これにより、企業にとっては貴重な人材を長期的に育成し、組織全体の競争力を高めることができる重要な投資となります。
- 外国人労働者向けの主な「日本語教育の方法」4選
技能実習生をはじめとする、日本語能力が十分に身についていない外国人労働者を自社で雇用している場合には、企業として適切な日本語教育の機会を提供することが求められます。
そのような状況において、以下に示すような多様な教育方法やアプローチを検討する必要があります。
地域の日本語学校や国際交流協会が運営する日本語教室に通う方法です。
体系的な学習が可能で、各種レベルに対応したコースが用意されています。ただし、受講時間の確保や通学の負担、費用面での課題があります。
日本語教育機関に通う際の授業料としては、一人当たり平均月額55000円(※)の費用がかかり、就労で困らないレベルの日本語能力(N3~N4)を取得するには6~12か月は要すると言われています。
日本語教師を社内に派遣、またはオンラインレッスンを導入する方法です。
自社の業務や職場の場面に特化した内容を学習できる利点がありますが、継続的な経費が発生します。
文化庁では、日本語教師による日本語指導等を想定した指導・実技・実習等謝金=5,200円/時間(※)が明記されており、民間の派遣費用はここに管理費等が上乗せされるのが一般的です。
講師派遣はそれら費用面を踏まえて、検討すべきです。
動画教材やアプリを使った学習方法で、学習者のペースで進められる柔軟性があり、日本語能力N3、N4などの試験対策にも活用できます。国際交流基金(JF)が、日本での生活・就労向け教材を”無料”で提供しており、有料講座に関しても厚生労働省の「人材開発支援助成金」の対象になる可能性もあり、比較的安価で日本語教育を実施できます。
しかし、自主学習のため、モチベーション維持・習熟度管理が課題となります。
業務を通じて実践的な日本語を学ぶ方法です。
実務に直結した表現を自然に習得でき、繰り返しで定着しやすいメリットがあります。
研修費用は不要な反面、指導する社員の時間的負担というコストが発生、さらには体系的な文法や読み書きの習得には限界があり、”指導者によって内容にばらつきが生じやすい”という課題もあります。
効果的な実施には、指導マニュアルの整備や支援体制が不可欠で、不安がある場合は外部機関の活用も検討すべきです。
- 技能実習生よりも「特定技能外国人」が選ばれている理由
近年、外国人労働者の受け入れにおいて、技能実習生から特定技能外国人へとシフトする企業が増加しています。「特定技能外国人」が選ばれている背景や魅力などをここではご紹介します。
特定技能外国人は採用時点で一定の日本語能力(N4以上の取得)が必須となっているため、日本語研修にかかる時間やコストが大幅に削減できます。
職場でのコミュニケーションや業務指示の理解がある程度可能なため、入社後すぐに実務を行えるのも大きな魅力です。
業務マニュアルの理解や安全衛生教育の内容把握もスムーズになり、作業現場でのエラーやトラブルの発生リスクも軽減されます。
既に基礎的な日本語能力を習得していますが、さらに業務時間内でのOJTや実践的な場面での学習が効果的に機能します。
eラーニングやオンラインレッスンなどの教材を活用すれば、各自のペースで日本語能力向上を目指すことも可能です。
技能実習生の場合は、業務時間内での日本語学習が制度上認められていないため、就業時間外に自主的に学習する必要があります。これにより、学習時間の確保が難しく、負担が大きくなるというデメリットがあります。
特定技能制度では最長5年間(特定技能1号)の就労が可能で、特定技能2号に移行すれば在留期間の上限なく働き続けることができます。
企業は中長期的な人材育成計画を立てやすく、安定した労働力の確保と職場への深い定着が実現できます。
技能実習生は最長5年間という期間制限があり、帰国が前提となっているため、育成した人材を長期的に活用することができません。
- 日本語教育の体制整備で活用したい助成金・支援機関
助成金制度や支援機関を効果的に活用することによって、日本語教育体制の導入や運営にかかる経済的なコストをある程度抑えることは十分に可能です。代表的な制度や機関をご紹介します。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人労働者の職場への定着を促進することを目的として、就労環境の整備に関わる取り組みに対して交付される補助金制度です。具体的には、日本語研修の実施にかかる費用や教材の購入費用などが補助の対象として認められています。
自治体の研修助成
各都道府県や市区町村が独自に企画・実施している外国人材の受け入れを支援するための制度です。補助内容や申請要件、金額などは地域ごとに大きく異なる場合があるため、事業所が所在する自治体の担当窓口に直接問い合わせて確認し、活用を検討することを強くおすすめします。
登録支援機関(特定技能)
特定技能外国人の受け入れや支援業務を専門的に担当する登録支援機関は、日本語学習の支援、生活オリエンテーション、職場での相談対応など、企業の負担を大幅に軽減する包括的なサポートを提供しています。
専門機関に任せることで、企業は本業に集中しながら、外国人材の定着率向上と職場環境の改善を同時に実現できます。
FRESC(外国人在留支援センター)
- 外国人に対する日本人従業員の「歩み寄り」と「やさしい日本語」も必要
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